名著価格の掟を読む

数々の価格設定本を読んできたが、ハーマン・サイモンの『価格の掟』はお勧めできる書籍である。この章では、『価格の掟』から、参考にしたい文章をピックアップして紹介したい。以下の引用はすべてハーマン・サイモンの『価格の掟』からである。https://amzn.to/3oEVY23

 

■はじめに

本書では、価格の重要性、価格の本質から始まり、価格の持つ機能、心理学的な意味、価格戦略とその豊富な実例、収益に対する強烈なインパクト、価値の実際の場面での決め方、そして魔術的に細かく利益を拾うプライシング、イノベーティブな課金方法、価格戦争などに言及して、最後にプライシング重視の組織の在り方、様式に与える影響など、広い視点から価格を語っており、示唆に富んだ内容となっている。

 

 

 

 

 

■本書の内容からの抜粋

 

□プライシングとは、人が価値を分け合う方法である。

 

□利益は「サバイバルコスト」であり、十分に高い価格は「生き残りの手段」になる。(ドラッカー)

 

□成功する人と失敗する人を分ける唯一の違いは、どうやって儲けを出すかを理解しているかどうかだ。なぜなら、そこで売上、価格、ビジネスモデルを熟考することになるからだ。

 

□ロシアの格言に、「どの市場にも2種類の愚か者がいる。値段を高くつけすぎる人と、低くつけすぎる人だ」とある。

 

□価格=価値である。顧客が重要性を認め、その見返りとしてある価格を支払おうとする程度のみが問題となるのだ。

 

 

□人間が情報を吸収し処理する能力には限界がある。だから、自分の利得や効用の最大化に努めるよりも、「満足のいく」結果でよしとするのだ。(プライシングの心理学)

 

 

□自分の扱う財の需要曲線がどうなっているかを知る必要があり、詳細であればあるほどいいということだ。自社の需要曲線を知らない企業は、特に高価格品の場合、暗闇で手探りしながら最適価格を探し求めることになるだろう。やや不確実性が残るときには、高価格帯へと価格を徐々に引き上げながら手探りすることをお勧めする。(価格が生み出す威光効果)

 

 

□製品の価格帯に関する情報を持っていなかったりするとき、それほど価値のないものや、集中的にリサーチする意義がないものは、どうすればいいのだろうか。その場合、買い手は基準点となる「アンカー」を探すことになる。(価格のアンカー効果)

 

 

□売上を押し上げる最も賢いトリックの1つは、希少性を認知させることだ。手に入りにくい商品だという印象があると、消費者の買いたいという欲求は強くなる。(希少性のマジック)

 

□価格戦略には一般論として、正しい戦略も間違った戦略もないのだ。

 

□どの市場でも、一見すると無限の購買力を持つのと同時に、最も高い基準を要求する顧客が見つかるだろう。そうした顧客は基準を満たす製品ならば、非常に高額を支払うことを厭わない。

 

□ピーター・ドラッカーから手紙をもらったが、そこでスキミング戦略に関する同氏の見解が明かされていた。ここから古い格言が思い出される。

「値下げできるのは、最初に十分に高い価格をつけた時のみである」(価格差異化という高度なアート)

 

 

 

 

□顧客主導型プライシング

顧客が価格を提示して、売り手がそれを受け入れるかどうかを決めるという、新しい価格モデルが大いに期待を集めた。顧客が実際の支払意欲を明かすだろうという願望に基づいている。(プライシングのイノベーション)

 

 

 

□「良いプライシングには必須条件が3つありまして、価値を生み出すことと、価値を定量化すること、そして価値を伝えることです。それは、価値に見合った価格、利益を出せる事業にするために必要な価格をつけたときなのです。それから、価格戦争は絶対に避けなくてはなりません」と、私は総括した。(プライシングはCEOが取り組むべき仕事である。